先月レポートしました環境保護修正法案は、いくつかの見直しがなされたものの、基本的には原案に近い内容で、今月6日、下院の特別委員会を賛成13、反対5で可決されました。
「環境を破壊し時代に逆行する」として環境保護団体から猛反発を受けた本修正案は、環境省からの圧力もあって多少見直しが施され、表向きは環境に配慮した恰好になりました。
それによりますと、原案では、河川流域の自然保護区域の幅を、現行の30mから7.5mに縮めるとしていたものを15mへ譲歩、また最大争点の一つであった環境保護規制の管轄を国から州へ移行する案も見送りとなりました。
しかしながら、セラード(低い灌木が生い茂る)地域やアマゾン地帯の耕地内原始林保護地区を現行の80%から20%へ大幅削減する原案は採用され、また2008年7月以前の不法伐採による罰金は免除するという原案通りとしました。
6日の特別委員会では、反対する環境保護団体と修正案可決を願う生産農家が睨み合う中で行われ、採決の妨害をしようとしたグリーンピース活動家3人が警備員に連れ出されるというシーンもあり緊迫ムードが漂いました。
尚、本特別委員会で可決された新修正案が下院・上院本会議を通過すれば、現在の保護地区は90%までが消滅することになると見積もられていますが、前農務大臣は「適法で農家はさらに土地利用ができ生産に励むことができる」と大きく評価しています。
以上(伯紙参照)
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!