ブラジルでは、外国人の長期滞在ビザ発給が厳しくなった80年代以降、不法滞在者が年々増加しています。そこでこうした不法滞在者に対して、 平均10年に一度、恩赦と言うべき法令が出され、正式な滞在ビザが発給されてきました。
今年6月4日、不法滞在を合法化する特別法案が連邦上下院で可決され、大統領の承認を経て法令化される運びとなりました。
法案によれば、対象者となるのは2009年2月1日以前に入国し、ビザの有効期限が切れたまま滞在している外国人で、申請により、向こう2年間の正式な一時滞在ビザが発給されるというものです。
一時滞在ビザの発給後、その期限が切れる3ヶ月前には、永住権の申請も可能になるとしています。
こうした恩赦は、過去1988年と1998年にも実施されていますが、現在の国内の不法滞在者は15−20万人と見積もられています。 その大半は、ボリビア、ペルー、パラグアイなどの近隣諸国からの外国人と見られます。
当局によれば、恩赦の目的は不法滞在者の就労面での改善を目指すものとしています。
ブラジルという国は、外国人同士の子供でもブラジルで生まれればブラジル国籍が与えられるという寛容な国です。
このような不法滞在の外国人に対しても、いつかは恩赦で救われるという、まさに外国人には住み易い国柄となっています。
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!