IBOPE(ブラジル世論調査統計院)が12月初に国内全土で世論調査したところによれば、現在のルーラ大統領の国民支持率は73%という高い数字となっています。
この数字は、22年前の1986年にクルザード計画(物価凍結によるインフレ撲滅政策で国内景気が爆発的に上昇した)を打ち出したサルネイ大統領が当時記録した72%という高い支持率をも上回りました。特に低学歴者層と低所得者層からは81%という高い支持率を得ており、 アメリカ発の金融不安の影響で10月以降ブラジル国内の実体経済が悪化し失業者が増加している中にあって、ルーラ大統領の政策手腕への期待が高いことを裏付けています。
1995年1月に社会民主党からカルドーゾ氏が大統領に就任して通貨をレアルに改め、1レアル=1米ドルで再出発して経済改革を成し遂げ、インフレの撲滅と国内経済の発展に寄与したものの、2000年台に入ってカルドーゾ大統領2期目の後半には経済が失速してレアル通貨も急落、2002年には労働党から圧倒的な人気を得てルーラ氏が大統領に選出されました。 そして現在2期2年目となるルーラ大統領ですが、その間の経済成長や景気回復等の実績を背景に国民から高い人気を維持し続けています。
尚、ルーラ大統領(63歳)は、ブラジル東北部の貧しい家庭に生まれ、小学校を卒業したあと家計を助けるために12歳から染色工業で働き始め、靴磨き、オフィスボーイ、冶金工等を経験して労働組合の組合長になり、その後大統領まで上りつめたという人物です。
そんな経緯が、低学歴者層と低所得者層から今でも強い支持を得ている背景かもしれません。
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!