南米ベルー沖太平洋の海水温が上昇する現象をエル・ニーニョと言いますが、その反対にペルー沖の海水温が低下する現象をラ・ニーニャ現象と言います。
今年はラ・ニーニャ現象が発生している影響で、日本では猛暑が続きましたが、ブラジルでは低温・旱魃という天候異変が懸念されています。
ブラジルでは、例年この時期(乾季)旱魃の影響もあってダム貯水池の水量が大幅に減少します。
一年を通して電力の80%近くを水力発電で賄っているブラジルは、乾季には火力発電を操業して水力発電の不足分を補充しています。
しかしながら、今年は5月−10月間の貯水池における降雨量が平年を大きく下回っており、火力発電コストは前年と比較すると、5億レアル(約250億円)増加すると10月13日付けで当局が算出しました。この電力コスト増は電力料金調整費となって、工場や庶民にツケが回ってくることになります。
10月17日から来年2月20日までブラジルはサマータイムに入りますが、例年5%弱の電力消費減に繋がる夏時間帯は既に折込み済みで、今後の雨量次第では火力発電コストのさらなる増加が懸念されています。
一方、ラ・ニーニャ現象の影響か、サンパウロでは夏を目前にしながら、10月12日には、17年振りという最低気温10℃を記録しました。
長期予報でもまだ暫く寒さが続くと予想され、どこの家庭でもまだ冬物衣料や暖房器具が整理できないままとなっています。
以上
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!