南米西太平洋の海水温度が上昇する「エル・ニーニョ」という現象が観測される度に世界各地から異常気象が伝えられますが、近年ここブラジルでも気象が大きく変化しつつあります。
日本のニュースでも報道されましたが、過去数十年もの間旱魃に苦しんできたブラジル東北地域の各州では、このところ豪雨に見舞われて河川が氾濫し死者多数を出す洪水の大被害に遭遇しました
一方、昨年12月、豪雨による浸水や土砂崩れの大被害に遭ったブラジル南部の州では、今年に入ってから旱魃気象へと一転、ダムの水不足で操業停止に追い込まれる水力発電所が出ている他、 耕作地ではカラカラ天気で土地にひび割れが生じており農作物や畜産に甚大な被害をもたらしています。
ブラジルの東北地域や南部地域では、年間降雨量に匹敵する雨量が短期間に集中して降ったことになり、まさに異常気象と言わざるを得ません。
ブラジルの大穀倉地帯を抱える中西部においては、まだこうした異常気象が観測されないことがせめてもの救いと言えるかもしれません。
ブラジル政府はアマゾン近郊での森林伐採に大きな罰則規定を設けていますが、その監督体制や罰則の適用は甚だ充分と言えず、また世界中から排出される温室効果ガスも一つの遠因なのでしょう。
地球規模での環境対策に対しては一国だけの問題に留まらない事を充分踏まえ、それぞれの国益をある程度勘案した対策が講じられる必要があると確信する次第です。
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!